「今回は、高杉率いる、鬼兵隊の潜伏先が判明した。早々に撃破する命令が下った。

1番隊・・・総悟・・・いけるな・・・」

「当り前でさぁ」




 今夜は、銀ちゃんいないし、新八帰ったから、自由ネ。

 そうだから、コンビニに酢昆布買いに行っている所だよ。
 でも、売り切れてたから、んまい棒、沢山かって帰る所だった

 コーンポタージュ味を食べながら、夜の街を歩いてたら、アイツにあったネ。




「よぉ。神楽・・・」


 総悟だ。何かゾロゾロ引き連れてどこか行く途中みたいだったアル。


「総悟。こんな夜更けに何処行くアルか」


「なぁに、皆で酒でも飲みに行こうって言ってた所でさぁ」

「イヤラシイ所行くんじゃないアルか?」

「さぁ〜。どうだか」





 そんな馬鹿にした言い方されたら、こっちもムカつくアル。

 浮気してやるヨ!!

 私がプンスカ怒っていると、アイツが近づいて来やがる。

「何怒ってんでさぁ。別にそんな所いかねえよ」

 そう言って、私の頭をナデナデしたネ。

 コイツにナデナデされると、メッサ幸せネ。
 そして、他の人がいるのに、ほっぺにチュウしてくれたネ。

 他の隊の人から冷やかされながら、さっきの場所まで戻ったヨ。
 私、恥ずかしくて、顔から火が出そうだったアル。


「で、神楽・・・行ってくるぜ」

 そう言って、私に背を向けた。

 その時、何でか、総悟が薄く透けた様に見えたアル。
 目の錯覚だと思って、目をこすったら、普通通りの総悟だったアル。

 でも、何か変な気がしたから声かけたヨ。


「総悟・・・」

「ん?何でさぁ」


「明日、酢昆布買って欲しいアル。今日売り切れてたから、買って持ってきて欲しいアル」

「ああ。わかった。明日持ってってやらぁ」



 そう言って、総悟はおもむろにポケットに手をつ込んで何かを私に投げて来たアル。


「それつけて寝やせぇ。いい夢見れやすぜ」



 投げてきたのは、総悟がいつも使っているアイマスクだったヨ。
 私、嬉しくてコンチクショーってなったアル。


「明日、楽しみにしているアル」


















『―依然、攘夷浪士達の猛攻は続き第二次攘夷戦争の様相を・・・―』



 テレビでは、激化する攘夷浪士達の戦のニュースが流れ続けている。
 かれこれ1週間にもなったヨ。



『―真選組にも多数の死傷者が出ている模様で・・・―』



 私は、アイマスクをギュッと握りしめて、あの日の事を思い出していたネ。


 だから、私に気を使って嘘言ったネ。



 でも、嘘はダメアル。

 私達の中では嘘つかない事、約束したヨ。


「酢昆布・・・早く買って来いヨ。馬鹿・・・」


 アイマスクに向かって呟いたら、世界が滲んで見えたアル。



「全然いい夢見れねぇじゃないかヨ」

 その滴が、アイマスクにしみ込んだ。






















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