サラサラサラサラサラサラと、お茶漬けを食べているアイツの横顔を見ている。
 サラサラサラサラサラサラと、よくもまぁ、こんなに食べれるもんだ。


「おばちゃん。おかわりアル」

 そう言って、どんぶりを店主に渡す。
 コイツはどれだけ食えば気がすむんだろう。



「あっ、姉御アル。総悟ちょっと待ってて。」

 そう言って、走って茶屋から出ていく。

 俺は、その顔を見て、店主が持ってきたお茶漬けを受け取る


 そして、俺は・・・・

 サラサラサラサラサラサラと、食った。

 意外と旨いもんだ。

 サラサラサラサラサラサラと、全部食えた。


「ごちそうさまでした」



 そう言って、一人アイマスクをして横になる。

 今日もいい天気で昼寝日和でさぁ。
 陽気も手助けをし、俺は夢を見ていた。神楽の夢だった。

 はじめは、笑顔で語りかけていた神楽が、いきなり般若の顔になり俺に言いよる。

 夢の中の神楽も、喜怒哀楽が激しい奴だ。

 笑顔で対応していると、腹を鈍器で殴られた様な感覚に襲われる。



「グエッ」


「私のサラサラサラサラサラサラのお茶漬け食べたアルか!!」


 アイマスクを取ると、般若の顔をした神楽が俺を見下ろしている。
 いきなり夢から現実へ引き戻された。


「な、何の話でぇ」

「何って、これヨ!!総悟。私のサラサラサラサラサラサラのお茶漬け食ったネ」



 そう言って、空の器をもって猛抗議をする神楽。

 俺は、馬鹿にした口調で、神楽に言い返す。



「何言ってるんでぇ。俺が食うわけねえじゃねぇか。食うなら土方さんでさぁ」

 ヤレヤレと言う様な素振りを見せて、何の根拠も無いウソをつく。


「そんな事絶対に無いアル。トッシーが食べたんならマヨネーズがのってるはずアル」

「なるほど。その通りでさぁ。マヨネーズをどんぶりに付けときゃよかった」



 そう納得すると、神楽はもっと怒りをあらわにして、俺に猛抗議をしてくる。


「お茶漬け食べないと死んじゃうアル。総悟に殺されるアル〜。犯されるアル〜」

 大声でダダをこねる神楽。それを見ている通行人、あれ?何だか俺悪人?


「わーったから、大声で犯されるとか言うんじゃねぇぜ。
 それでなくても真選組は人気無いんだから。マジで頼みやすぜ」


「男は狼アル。絶対に私、犯されるアル。お茶漬け食べないと犯されるアル〜!!」


 俺は、フゥっと溜息をもらし、神楽の頭を撫で


「おばちゃん。お茶漬けおかわり」


 そう告げる。

 そうすると、さっきまでの顔はどこ行ったのか、満面の笑みで俺を見て、抱きついてくる。



「総悟大好きアル。絶対にアンタならやってくれると私、わかっていたアル」

「あーそうですかい。さっきまで犯されるとか言ってたくせに全く現金でさぁ」



 そう言って、店主がお茶漬けのおかわりを持ってくる。

 それを神楽が
 サラサラサラサラサラサラと、食う。



 俺は、この幸せそうな顔が好きなんだと、改めて思った。











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