泊めてくれ・・・









 いきなり言われても、俺にどうしろって言うんだ・・・



 あっ、エロ本隠さないといけねぇや・・・


 そう思っている所で、もう勝敗は決まっているんだろうな・・・




「別にいいぜ・・・来なせぇ・・・」



 そう言った途端、アイツの顔がパッと明るくなる。


「本当にいいアルか?アリガトウ恩にきるヨ」




 アイツは、はしゃいで俺の手を握る。


 握手をしたアイツの手は、思った以上に小さかった。







「じゃあ、行きやすか・・・」




 そう言って、俺は突然歩き出した。









 「待ってアル」 とか言っているアイツは放っておいて先に歩きだす。

























 途中、コンビニに寄りたいと言うアイツの要望を聞いて、コンビニに入った。

 姉からあれだけコンビニに行くなと言われていたのに今日2度目のコンビニだ。




 俺は、適当に水やら食い物を買い、レジへと向かう。



























「ココアルか・・・」




 目の前には、さびれたアパートがある。


 俺は、自分の部屋の鍵を空けると、アイツを迎え入れた。




 6畳一間、1K、トイレ、風呂別。

 適当に靴を脱ぎ、部屋に入った。



 冷蔵庫に買ってきたものを入れ、部屋に入る。



「おい。ミルミルないアルよ。普通家にはある筈アル」

「ある訳ねぇだろ!!もう一度、コンビニに戻って自分で買ってこいよ」


 おい。何勝手に家の冷蔵庫開けてるんだよ。それに、そのポカリ俺のだろ・・・




 で、部屋に入って来てマズの一言は、


「狭い部屋アルね・・・。犬小屋みたいアル・・・」



 大きなお世話だ。


 こいつも始めて異姓の部屋に来たらしく、色々と物色している。




 まぁ、コイツは、空気だと思う事にして、いつもの様に自分のやりたいことをする。

 要は風呂入って、寝る。


「適当に座っておけよ・・・俺は風呂入る」





「わかったアル。この女教師旅情編ってビデオ見てていいアルか?」


「見るな。勝手に漁るな!!テメェは普通にテレビでも見てろ!!」





 そう言って、風呂に入った。














 今日土方に蹴られた腹を見ると、痣になっていた・・・


 土方死にやがれ・・・


 そう思いながら、シャワーのお湯を出す。




 何か今日は色々あった。





 マジしんどいな・・・
















 そうやって、風呂を出た後、アイツに風呂を勧めた。

 着替えが無いとゴネるアイツに俺は適当に、俺のTシャツと短パンとタオルを渡し、部屋に戻る。



 案の定、女教師旅情編がテレビには映っていた。


 チャイナめ・・・










 適当に、ニュースを見ていると、アイツが風呂から上がってきた。

 髪の毛を下したアイツは肩より少し下くらいで、メガネも外している。


 上気がかった頬も、あれだ・・・

 まぁ、世間的には可愛い子だろう



 言動さえなけりゃあ・・・






 アイツは、勝手に俺のコーラを一気に飲み干し、

 「プハァ。風呂上がりはこれが一番ネ」 とか言ってやがる。俺も怒るぞテメェ・・・








       空気だ俺

       アイツは空気に違いねぇ・・・





「暇アル・・・。何か面白いもの無いアルか?」


「ねえ」







       気にしたら負けだ。





「マンガは」


「ねえ」








 そんなこんなをしていると、アイツが俺の頭を叩いてくる・・・

 はじめは無視していたが、ドンドンエスカレートし、しまいにはチョップをされる・・・







































 俺も怒りやすぜ・・・





















「ブチ」っと堪忍袋の緒がきれた音がした。






















「おい。チャイナ・・・何しやがる!!」


「何って、私の事無視した罰ネ。死刑アル」




「な、テメェ…」


 殴ってこようとする右手を掴み、2人揉みくちゃになる。




 「テメェ」 やら 「この野郎」 とか言いながら、左手でも殴ろうとするので、それも止めてはがいじめにする。









「チャイナ・・・いい加減にしやが・・・」



「・・・・・・」






 何も言い返してこない。



 まぁ要するに、俺とアイツの状況が微妙だってことでさぁ。









 ベットの上で、俺が、アイツの上に四つん這いで乗り、手を掴んで、

 アイツは俺から潤んだ目を背け、上気した頬で遠くを見ている・・・



 手首は細く、女性特有の柔らかさを感じた。






 髪の毛や体からは、同じ物を使ったとは思えない程、甘い匂いがする。


 俺の背中に冷たい汗がスッと流れた。




 ヤベエなぁこりゃ・・・






 俺は、咄嗟に手を離し、部屋の反対側に行く。

 多少強引だって分かっちゃいるが、ワザと別の話題を振る



 そうしないと、何かヤバい気がした








「お前さ・・・何で目が悪くないのにメガネかけてるんだ」




 少しの間、放心状態だったアイツが慌てて答えた。
 単純な理由だ。



「べ、勉強出来そうに見えるからネ」




 無い方が、可愛いと言いそうになり、口をつぐんだ。







 何となく言えない雰囲気が部屋を圧迫している。




 まずった・・・












「まぁ、アレだ。今日はこのベットで寝ろ。俺はソファーで寝らぁ・・・」





「わかったアル・・・アリガトウ・・・」



 そう言って、俺はソファーに毛布を持って来て包まった。









 アイツは、三角座りをし、服の中に膝を入れている。




 服伸びるだろ・・・



 無言で、テレビを見つめているので、そっとしておこう・・・


 それがいい・・・






 まぁ、今日だけだ。

 そう自分に言い聞かせて、眠りに入ろうとする。






 明日は土曜日だ・・・

 ゆっくり寝よう・・・





 アイツに、眠くなったら電気を消すように言って、俺は寝た。







 無理やりだけど寝た・・・。















 いつもなら、ダラダラと起きている時間だが、寝ないと、色々と考えてしまいそうだった・・・













































 次の日、起きたら、もうアイツはいなかった。







 時計を見たら昼を過ぎていた。




 まぁ、普通帰るわなこんな時間なら・・・

 それに、あんな事があったら・・・






 あーあ、思い出すな・・・


 何もねぇよ・・・



 眠い目をこすりながら、昼飯を食おうと食い物を漁っていると、



                                          ドアホンが鳴る。




















 開けた途端・・・

 驚愕した・・・







 何個かの鞄を持ったアイツが立っていやがった・・・





「おま、お前何だよそれは・・・」

「今日から、世話になるネ。ヨロシク」



 そう言うと、俺が何か言う前に部屋に入り、荷物を適当に置く。




 「私の事は気にするな」 と言うが気にしない方がおかしい・・・。

















 唐突に・・・


 わけもわからずに・・・



















 共同生活が始まった・・・。



















  
 沖田総悟
  家は1K。好きなものは、旅情編・・・。



  
 神楽
  異性の部屋に初めて来たみたいだ。好きなものは、ミルミルw









 005









 パラレル編の4話目です。満足していただけましたでしょうか?

 出てきました。総悟の家!!
 神楽チャンにお願いされたら誰も断れないでしょう。
 にしても、いいの同棲なんて^^;

 感想ありましたら、お願いしますw







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