バレンタインから一週間、あの熱気もとうに冷め、

 もうバレンタインがあった事なんて誰も覚えてないネ。


 今年…

 誰にもチョコなんて渡さなかったヨ。






「おばちゃん酢昆布」

 私は、いつもの通り駄菓子屋で酢昆布を買って…

「あと、コレも…」


 そして、いつもの団子屋の前に行く




「よお、チャイナ」


 いつも通り、ダルそうな口調で、話しかけてくる。


「何ネ。サド丸に話しかけられる筋合いは無いアル」

 いつも通りの受け答え。

「オメーな、人が折角声かけてやってんだろが」
「別に、オマエに声かけられても嬉しくも何ともないネ」

 そう言って、私とサド丸は戦闘態勢に入る。


「やるかコノヤロー」
「ああッ、上等じゃねェか」



 二人同時に地面を蹴る。





 いつも通りの取っ組み合い



 いつも通りの引き分け








「なかなかやるじゃねえか」

「お前もナ」


 二人、肩でゼェゼェ息をして背を向ける。




「おい」


 歩き出したサド丸に声をかける。

「何でぇ」


 振り向いたサド丸に向けてチョコボールを投げる。

 サド丸は上手い具合に受け取り、
 箱を見つめている。


「イライラしてるから、糖分取るヨロシ」

 アイツに顔を見られない様に、下を向きながらそう言った




「オイ、何か変なもんでも食ったか?」


「いいから、早く食えヨ」

 警戒してながら私を見つめてくる


「テメェみてぇにタバスコ入れたりしてないネ!!」



 少し、強めにそう言うと、サド丸は渋々箱を開けて、手に取って食べた


「良く分からねぇが。普通のチョコボールだな」


 チッ、エンジェルマーク付いてねぇや…とぼやくサド丸。

 私は満足して歩き出す。




「おいチャイナッ!!」


 そう呼ばれたけど、振り向かなかったアル。










 歩きながらポソッと口の中で言ったネ。









「ちゃんと3倍返ししろヨ」

























 -おわり-







 いつもの日常に、ちょっとしたハプニングですΣ^^
 楽しんでいただけましたでしょうか?
 照れ屋な分だけ遅れてしまった、バレンタインですッ☆

 こちらフリーSSとなりますので、お持ち帰り可能ですv
 よかったら、感想ください!お待ちしております(大照)







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