非番の日、俺は暇を持て余して、歩いていた。
何をする訳でも無く、そう言う時のかぶき町は暇そのものだ。
「あー土方でも、苛めて遊びてぇな・・・でもアイツ今、屯所だしなぁ」
その辺りぶらり眺めていると、桃色のお団子が歩いているのが見えた。
アイツはいつも通り、能天気な顔をして歩いている。
「よぉ、チャイナ、何してるんでぃ」
「よぉ、サド丸。今日は銀ちゃんパチンコ。新八コンサートで暇だから、町を散歩中ネ」
「へぇー。俺と同じじゃあ、ありやせんか。どうでぃ、俺とデートなんて」
ナイスタイミングで言ったぞ。自画自賛。俺ナイス。
「何言ってるアルか!!アンタとデートするぐらいなら、ゴリラとデートした方がマシネ」
即答。
自分のハートが『ピシッ』と音をたてた様な気がした。
マジ、傷付くなぁ・・・
近藤さんより下の位置からのスタートか・・・
何とかして、落とそうとしてもフラグさえ立たないでさぁ
恋愛ゲームじゃあ嫌われている所からのスタートですかい
まぁ、チャイナの事だ。食い物で釣ったらかかるだろう
「じゃあどうでぃ。一緒にアイスでも食いに行きやせんか。もちろん俺のおごりで」
「行く」
即答。
どんなもんでぃ。
いきなり、フラグ総立ちでさぁ。
勝ち誇った顔で、甘味屋へと向かった。
チャイナは一心不乱にアイスを頬張っている。
その横顔に見惚れる俺がいる。
コイツの何処に惚れたんだ俺は・・・。
「って、アイス食うのはいいんだが、何か喋りやせんか」
「何言ってるアルか。こういう時こそ食いだめネ。銀ちゃんも良く豆パン食いだめするネ」
そう言って、またアイスに顔を戻す。
激しく食べているからだろうか、頬っぺたにアイスがついている。
俺の心を激しく揺さぶった。
そして、自分自身の意識の中の何かが崩れ落ちた。
そして、チャイナの頬のアイスを舐める。
「なっ、何するアルか!! 」
何も分かっていない様子で抗議する
実際は、俺の我慢がきかなかっただけなのだが、あえて言わず、
「いやぁ、頬っぺたにアイスがついていたから、取ってあげただけでぇ」
と、馬鹿にした様な口調で答える。
その返答をした途端、不意に
「ナッ!?」
チャイナ顔が俺に近づいてくる。
やわらかい唇だ。
そして、俺の口の中に舌を入れてくる。
「私のネ。食いたかったら自分の食いな。ヘッ」
チャイナは勝ち誇った笑みを浮かべ俺を見つめた。
多分、俺は真っ赤な顔をしてるんだろう。
鼓動が早鐘の様に打ち鳴らされる。
手は汗でグッショリと濡れていた。
「あれ?サド丸どうしたアルか?顔耳まで真っ赤アルよ」
俺は急に立ち上がり、チャイナの言葉を無視して、
金をその場に置き足早に店を出る。
「自分の方が意識して恥ずかしいじゃねぇか・・・」
指を唇に当て、先程の温もりを思い出す。
すると、顔の火照りが再燃する。
「こりゃ。強敵でぇ・・・」
俺は全力疾走をした。
第二話へ
1話目満足していただけましたでしょうか?
今回は、神楽の事が好きだけど、好きだと言えない総悟のお話でした。
今後、紆余曲折を経て最終話にいければなぁ・・・(遠い眼)
感想ありましたら、お願いします^^
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