朝起きたら、メッサ騒がしかったネ。


 ここの防音全くなってないアル、全部声筒抜けネ。
 モソモソと、起きだして、服を着替えた。

 今日はこのピンクの服にするアル。



 朝の一枚、酢昆布を食べる。

 ヤッパリおいしいアル。




 顔を洗っていると、銀ちゃんとトッシーが何か言い合いをしている声が聞こえたネ。


「お宅の、サディスティック王子。ウチの神楽を傷ものにしたそうじゃないか」
「ちげーだろ。テメェー所のチャイナ娘がウチの総悟に手を出したんだろうが」

「神楽ちゃん、沖田さんとディープキスしたらしんですよ」
「そうそう。俺も見ました。夕焼けバックにキスしている所」


 障子の隙間から覗くと、新八とミントンが話を膨らせていたアル。
 ジミーズが思った以上にウザいアル。

「ま、俺としては、この交際は認められねぇな」
「気が合うじゃねぇか。俺もそれを言いに今日は来た。」
「そうですよ。神楽ちゃんはまだ子供なのに、ディープキスなんて・・・」


 私が誰と付き合おうと勝手アル。


 お腹がグーっとなった。

 腹ごしらえしてから、反論しにいくアル。







 ・・・何も無いアル。


「絶対。このままいったら、荒廃した世の中になりますよ。
神楽ちゃんの未来の為に今回は僕が立たないといけないと思った訳ですよ。ディープキスですよディープ」

「はいはい。わかったから、静かにしておけよ。新八」
「あれ?銀さん・・・今『新八』と呼んで、童貞って書いたでしょ・・・」

「そうそう。もうメガネの話はいいから、大人にまかせな」
「土方さんまで、『メガネ』と呼んで童貞って・・・・そりゃ、童貞だけど・・・キスも無いけどさ・・・そこまで言わなくても・・・」


 戻ると、死ぬほど凹んでいる新八を置いて、銀ちゃんが立ち上がって適当なところまで移動してた。
 そしてダルそうな口調で、


「志村・・・うしろ。うしろ。」
「何言ってるんですか銀さん。後ろは何もグワァアア・・・」


 と、言った瞬間、新八にバズーカが直撃した。
 そこに、ポッカリあいた穴から総悟が入ってくる。


「ちーす。何か俺の事で話ですかぃ」


 そう言って、総悟は、トッシーの横に座る。もちろんミントンは床に正座。


「で、何ですかい。俺、何も悪いことしてないんですけど」



 総悟は机に足を乗せて話を聞こうとしてるネ。

 態度だけは局長アル。


「って、総一郎君。それ、話きく態度じゃないし。銀さん本当に怒っちゃうよ」
「そうですよ。沖田さん。アンタよくも神楽ちゃんとディープキスしといて、何余裕ぶっこいてるんですか!!」

「そんなに、熱くならないで下さいよ。旦那と童貞」


「ちょ、直接言った!!童貞だけどさぁ、童貞って直接言っちゃたよ。この野郎」


 新八が血管を浮き出して怒ってるが、それを無視して銀ちゃんが


「で、総一郎君にウチの神楽はやれない。っていうかやらない。
 どっちかって言うと、銀さん沖土派なんで・・・アンソロ持ってるしー」

「何言ってやがるんだ!!俺は、高銀推進派だ。今度同人誌出そうかと思ってるくらいだしよ。」


「あのぉ・・・もう、沖田隊長も神楽ちゃんも関係なくなってるんですけど・・・」



 と話が、真剣十代しゃべり場の様に白熱していく中、


「総悟と私は付き合ってるアル。銀ちゃんに、とやかく言われる筋合い無いアル。
ていうか、爛れた恋愛してかしてねぇのはテメェだろ!!」


 話が終わりそうにないんで、ふすまを開けて部屋に入ったアル。
 私がそう言ったら、銀ちゃんはメッサメサショックを受けてたネ。


「って、事でさぁ。土方さん。まぁ、俺としちゃ上出来な恋愛だと思うでさぁ」
「ああ、まあ、そうだな・・・ってオイ!!」



 トッシーもその言葉に呆然としている。


「今日は、朝からしゃべり場だったからお腹減ったアル」
「合点承知、旨いもの食わしてやりやすぜ」



 ニヤリと笑って二人、手を繋いで部屋を後にしたアル。



 ついでに戸をバンと閉めたネ。







 人の恋路を邪魔する奴は、豆腐の角に頭ぶつけて死ねアル。



















 シーンと静まり返った部屋で、二人が爆発するのは時間の問題だった。


「テメェのせいで、2人出て行ったじゃねぇか!!どうしてくれるんだ」

 血管がプチッと切れるような音が土方さんからした。

「あぁー。サディスティック王子がウチの神楽をさらっていったの間違えじゃねぇか」

 銀さんは銀さんで、来客用の机に足を乗っけてイチャモンをつける。


 あーぁ。かたずけるの誰だと思ってるんですか。


「決闘だ。山崎、刀を万事屋に貸せ。真剣勝負だ。
俺が勝ったら総悟との交際諦めてもらおうじゃねぇか。」

「え?マジですか!!ていうかこれで何かあったら、俺が犯人じゃないですか、嫌ですよ、俺ぇ」

「山崎ぃ―ッ!!俺が負けるって言いたいのか!!」

「ぎゃあぁぁああ」

「何言ってんだ。俺が勝ったら、ウチの神楽返してもらうぞ。慰謝料込みで・・・だあぁぁああ」

「ちょ、銀さん!!やり過ぎですって!!」


 そうして万事屋の中では、終わることのない決闘が行われ、
 血で血を洗う戦いが今・・・始まる。





 命からがら僕と山崎さんは、万事屋から逃げ出した。
 上では、今だに暴れまわる音が響き渡っている。

「あれ?これ、僕が馬鹿にされただけじゃないの・・・」

「大丈夫ですよ。童貞なんて、気にしなくていいと思います」


 笑顔で最悪なパスだ、この人・・・誰も取れないよ・・・


「あの、山崎さん。それ、フォローに何もなっていないんですけど・・・」
「あっ、つい・・・アハハッ」



「テメェいつも糖分糖分でウザイだよコノヤロー。あんなもん誰が食えるんだよ!!」
「うっせー。テメェこそ、いつもマヨネーズマヨネーズって胸糞悪いんですけど!!」


 飽きもせずあの二人は戦っている。
 何時までやってるつもりなんだよ・・・

 あ、もうそろそろ夕飯の買出しにいかなきゃ

 遅くなったら姉上にも怒られるし・・・






 侍の国。江戸では、この様な戦は日常茶飯事である・・・




 って、これオチ?オチじゃないよね・・・?




















 え゛・・・沖神なのに、僕が締めるのおぉぉぉぉぉぉ!!













 - おわり -




 番外編でした。楽しんで貰えたら幸いです。

 作者の悪乗り全開の話になってしまいましたw
 ドタバタ劇を書きたかったんですが、上手くいったかは皆様に委ねます(汗
 これで、堂々完結。周知に知れ渡ったカップルの出来上がりです!!

 感想がありましたら、連絡お待ちしています^^






 戻る










inserted by FC2 system