いつものバトルロイヤルホスト。


 何気ないバカ話をしながら、飯を食っていた。
 話が切れ、そして沈黙…


 その沈黙を破る様にアイツが俺に話しかけてきた



「質問があるネ」


「何でェ」


 珍しくモジモジとして、何か言いたげだが、スグには話して来ない。


 またもや沈黙が訪れ、痺れをきらし、俺から声をかけた




「…オイ」

「だって、お前、怒るダロ」


 そう言って、目を逸らす。

 可愛いじゃねェかコノヤローッ




 俺は、そう思いながらも、表向きは表情を動かさず




「怒らねェって、それよりも言わねェ方が怒るぜ」



「じゃあ、約束ネ」


 神楽は、俺の目をジッと見つめてそう言ってくる。





 俺は、ハァーと溜息を軽くついて


「ったく、オメェにゃあ、勝てねーよ」

「ありがとう総悟ッ」


 これでもかッという位の満面の笑みで返してきた。





「で、なんでェ質問ってのは?」









「あの、あの…ネ………。トッシーってどんなタイプの子が好きアルか?」




























「………はっ?」




 自分の耳を疑った。
 あり得ない言葉が聞こえた気がしたので、耳を傾けて




「もう一度言ってくれねェか」






「だから、トッシーのタイプ教えて欲しいネ」


 目を逸らしながらそう言った。









 何だよ…


 何でココで目を逸らすんでぇ…






 俺はイライラを内に押しやり


「あれでェ、テメェみたいな大食らいじゃなくて、おしとやかな奴が好きだぜ」





 そう、意地悪をしてみる


「そうアルか」





 そう一言発して、アイツは席を立った。







「おい神楽ッ…」

「色々教えてくれてアリガト。じゃあもう行くアル」




 俺は、手を伸ばしアイツの肩を掴もうとするが、一瞬躊躇ってしまい、
 アイツの姿を見送るしかできなかった。











 そして、頭をフル回転させて、今の状況を考える。

 神楽は、土方のタイプを聞いてきた。






 いやッありえねーだろ…


 俺も神楽も 『 付き合おう 』 とはっきりさせず、なんとなく付き合い始めたが、

 今ではお互いを名前で呼び合う仲になってる、てぇのに…





 このままじゃあ、頭がショートしちまう…



 左右にブンブンと頭を振って今の考えを全部忘れテーブルに突っ伏した。

















 次の日から、神楽は俺を避ける様になった。


 じゃれ合いの戦いはなくなり、退屈な日々が舞い降りてくる。






 俺が何したってんでぇ…



 そう思って、数日が経ったある日、

 茶屋で団子を食っていると、人ゴミを歩いている土方を見つけた。




 ったくあのヤロー、
 土方の癖に何こんなとこ歩いてるんだ、仕事しろ仕事…



 冷たい視線を送っていると、ある事に気付く。









 奴は誰かと2人で歩いている様だった。




 土方が喋っている相手を見た途端











「おい…嘘だろ…」


 口に入れた団子が床に落ちた。






 俺は何も言わず、土方の所に向かう。


 体が勝手に走り出していた。













 ありえねぇ…




 俺は、認めねぇ…





 ただそう反芻して全力で走る。














 二人が目前になった所で、

 俺は強引に土方とソイツとの間に割って入り







 土方に向かって大声で叫んだ。
























 「おい土方ぁぁぁぁあああああああ!!!!!!コイツは、俺の女だぁ!!手ぇ出したらブッ殺すッ!!」




















 怒気を込めて、たたみ掛けるように



















 「テメェじゃあ役不足だぁああ!!!こんなじゃじゃ馬、幸せに出来んのは俺だけでぇ!!!!」










 と、威嚇する。



 すると、土方はポケットから煙草を取り出し火を付けて







「ったく、手間かけさせやがって」


 そう言って、煙草の煙を俺にかけやがった。












「何訳分かんねェ事言ってんでィ、俺の神楽に手を出したのはテメェだろ土方ッ!!」







 土方の態度に殺意を覚えて、睨みつけていると


 俺の後ろにいた神楽が








「ほんッと手間のかかる奴アル」




 そう言いながら、背後から俺を抱きしめてきた。

 訳が分からず戸惑っている俺に、





「……テメェが何時まで経っても
 『 付き合ってくれ 』 とも 『 好きだ 』 とも言わねぇから、協力しろってコイツに言われてな」


 そう言って、首をコキコキと鳴らし、土方はフゥーと煙を吐いた。





 茫然としていると、後ろから抱きついている神楽が俺の肩に顔を置いて





「俺の女なんダロッ?ちゃんと幸せにしろよな」

 そう耳元で呟く。










 俺は、怒りたいやら恥ずかしいやらでごちゃごちゃになっている気持ちを、
 どうにか心に収めて





















「好きでさぁ…付きあってくだせぇ」













 背中から回ってきている可愛い手に自分の手を重ね、心を込めて言った。



 すると神楽は、肩に置いている顎に体重を乗せて










「しょうがないネ。これがラストチャンスヨ」



 そう笑いかけてくれた。





















 俺は重ねた手に力を込める。






















 この掴んだ手は離さねぇ…






 そう決めた。











































「で、どうして土方だったんだ?」


「だって、トッシーが一番フォローしてくれるダロ、しかも大人のレディにモテモテネ」




「何でェ、俺の方がいい男だろィ」















 -おわり-






  Σ1年半またぎ、本当に遅くなってすみませんでしたーッ。゚(゚ノД`゚)゚。

  りこ様のキリリク、『ライバルの登場で、いつも余裕の沖田があたふたしている沖→神』 (6262hit)です。

  ライバルを土方さんにして、沖田があたふたしている様を頑張って書いてみたのですが、
  満足していただけましたでしょうか?Σ(´Д`ι)アセアセッ

  りこ様がこのお話を見ていてくださいますように、キリリクありがとうございましたッ☆
  この小説を、りこ様に捧げますッ!!!!!(大感謝)










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