「暑いアル」






 私は、アイスクリームを舐めながら、木陰で涼んでいたネ。


「江戸の夏・・・クソ暑いアル・・・」




 ブーブーとブーたれていたら、そこに総悟がやってきたヨ。

 そして、私にむかって来て





「おう。チャイナじゃねーか。顔貸せよ」



 顎をシャクって私に指図してきたネ。




 生意気な餓鬼アル。

 だけど、ここで顔を貸さないと私の負けみたいになるの嫌だったから、



「何アルか?勝負なら受けて立つネ」



 そう意気込んで、総悟の前に仁王立ちしたアル。




 そしたら、総悟は少しキョトンとした顔で



「まぁ、間違っちゃあいやせんし、行きやしょうか」


 そう言って、私の手をグイッと掴んで歩きだしたネ。





 どこへ連れられても大丈夫な様に臨戦態勢で臨んでいたアル。















 そして、連れてこられたのが・・・









「何で服屋アルか?」



 周りを見渡すと、ココは小洒落た服屋アル。



 私は、意味が分からずに総悟に聞いたネ。







 そしたら何てことない様な口調で


「ちょっと、褒賞が出たからオメェに服でも買ってやろうかと思ってな」




 そんな総悟の態度にあわてて



「い、いきなり何アルか!!下心ミエミエアル!!」


 って言った。




 服って何アルか

 総悟何言ってるんだヨ。




 すると、総悟は「ハァ」と短く息を吐き、



「俺をどんな人間だと思ってるんですかい」

「こんなドSの言う事まともに信じれないヨ。喜んで店を出た途端、縛りプレイされるに違いないアル」


「どれだけ、信用されてねぇんですか」



「て、テメェなんて・・・し、信用度ゼロヨ」




 服なんて買ってもらうの初めてだから、本当はどうしたらいいかわからないヨ。


 総悟が買ってくれるって言ってくれた事は本当にうれしいアル。











 私がモジモジと入り口付近でしていると、総悟が少し斜め上を見ながら



「ったく。俺が恥ずかしいじゃねぇか。オメェのチャイナ以外の姿が見たかったんでぇ。これで文句ありやせんかい」







 そう言い放ったネ。





 冗談じゃなく、私の頭から湯気が立つのがわかった気がしたヨ。


 本当にうれしいアル。







 でも、口は別の言葉を言ったヨ













「総悟、よ・・・良くそんな恥ずかしい台詞が吐けるネ・・・」




「だから、恥ずかしいって言ってるじゃ、ありやせんかい」







 そうして、二人の間に少しの沈黙・・・


 二人の顔がみるみる赤くなっていったアル。





 ハズィアル・・・









 すると店員が 「お客様・・・お探しのモノは見つかりましたか」 とか笑顔で言ってきた。







 私がしどろもどろになってると、

 総悟がドSの顔になり














                            「・・・テメェ一体誰に口きいてんだこのメス豚ヤロー」









 と言うと店員は、汗だくになって走り去って行った。







 仕方ないアル。


 総悟に借りは作れないヨ。だから





「じゃ・・・じゃあ、しょうがないアル。私の可愛い姿を見せてやるヨ」




「ありがとうございやす」




 私は、モゴモゴと総悟向って


「総悟にダケだヨ・・・」


 と、言った。すると







「そりゃありがてぇ」


 と奴は私に意地の悪い笑みを浮かべて言った。

 聞こえてないと思っていたんだけど、聞こえてたみたいアル







 私は恥ずかしさがこらえ切れず 「ウグゥ」 と唸ってしまったヨ。





 こうなったら、恥ずかしいのは変わらないアル。


 私は、総悟の腕を掴んで耳元で




「アリガトウ・・・総悟・・・」


 って、言ったネ。






 そしたら総悟は耳まで真っ赤にして目をパチクリさせたヨ。


 へへへっ。これで恥ずかしさは一緒アル。






 こうして、私たちの楽しい時間が始まったアル。














 -おわり-









 ももんが様のリクエストです。リク内容は『神楽に服をあげる沖田』でした。
 少し可愛くなっちゃいましたが、満足していただけましたでしょうか?

 気に入っていただけたら幸いですm(._.)m

 この小説をももんが様に捧げますv









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